まずは、いまとてもタイムリーな話題である、生前退位と即位に関連する話題からです。
日本の皇族の敬称はどうやって決めているの?
皇族の敬称は、皇室典範(こうしつてんぱん)で決められています。
皇室典範とは、皇室のことについて規定した法律のことです。
皇室のことはすべてこの法律に基づいて執り行われます。
いわば、皇室のあり方について明示されているものです。
皇室典範を見たことない方はとても多いと思いますが、改めて見てみると興味深いですよ♪
たとえば、第1章の皇位継承の項目に関しては、第1条で『皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。』とあります。
皇太子さまのお子さまは愛子さまで、女の子。秋篠宮家に悠仁(ひさひと)さまがお生まれになるまでは、女系天皇も認めるべきだとの論争が巻き起こったことも記憶に新しいですね。
さて、いま日本では、今上(※1)天皇の生前退位と新天皇の即位が目前に迫っています。
天皇の崩御(※2)ではなく、生前退位ということで、喪に服すこともなく、そのため、30年前の昭和から平成に変わった時よりもおめでたムード満載ですよね。
高齢により天皇としての務めを続けることが困難になることを案じた天皇陛下が、退位の意向を公にされたのは平成二十八年の夏でした。
>>天皇陛下の生前退位はいつ?元号の決め方は?
しかし、皇室典範には「退位」の規定がないため、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が特別に作られました。
今回の退位に限り、特例として作られた法律です。
今回の退位を規定した特例法なので、皇室典範そのものに退位の規定がないという状態には変わりありません。
なお、今回作られた特例法(第3条)には、御代(みよ)替わり後の敬称についてももちろん定められています。
今上天皇の退位後の皇族の敬称はどう変わる?
よくニュースに登場する、我々にとても馴染みのある皇族の呼び方がどう変わるのかを見ていきましょう。
今上天皇 wiki ⇒ 上皇(じょうこう)
皇后 美智子さま ⇒ 上皇后(じょうこうごう)
皇太子 徳仁親王(なるひとしんのう) ⇒ 天皇
皇太子妃 雅子さま ⇒ 皇后(こうごう)
内親王(ないしんのう) 愛子さま ⇒ 内親王のまま変わらず
秋篠宮殿下 wiki ⇒ 皇嗣(こうし)
※皇室典範第8条では「皇嗣たる皇子を皇太子という」と明記されている。秋篠宮殿下は皇子ではなく新天皇の弟となるため、皇太子とは呼べない。
秋篠宮妃 紀子さま ⇒ 妃のまま変わらず
内親王 眞子さま ⇒ 内親王のまま変わらず
内親王 佳子さま ⇒ 内親王のまま変わらず
親王 悠仁(ひさひと)さま ⇒ 親王のまま変わらず
皇族の方々の敬称はどんな意味があるの?
われわれ日本人には耳馴染みのある、『陛下』『皇后』『皇太子』『殿下』『妃殿下』『親王』『内親王』などの敬称ですが、ニュースでよく耳にするものの、正確にどんな意味があって、どういう人に向けて使う言葉なのかまったくわからないまま使ってませんか?
そういう国民はとても多いと思います。
というわけで、まとめておきました。
もちろんこれも皇室典範(第23条)で定められています。
●陛下…天皇および皇后・太皇太后(たいこうたいごう)・皇太后(こうたいごう)の尊称。
今回の特例法では、上皇と上皇后も陛下という尊称を使用すると明記されています。(特例法第3条-2、第4条)
●殿下…皇太子・皇太子妃・皇太孫(こうたいそん)・皇太孫妃・親王(しんのう)・親王妃・内親王(ないしんのう)・王・王妃・女王などの敬称。(皇室典範第23条)
皇后…天皇・皇帝の妻。きさき。
太皇太后(たいこうたいごう)…先々代の天皇の皇后。
皇太后(こうたいごう)…先帝の皇后。
皇太子…皇位を継承すべき皇子。東宮(とうぐう)。
※東宮とは…〔古代中国で、宮殿が皇居の東にあったところから。また、東は五行説で春にあたり、かつ易で震にあたり、震は長男の意となるところから〕① 皇太子の宮殿。② 皇太子のことをいう。よくニュースで耳にする「東宮御所」とはすなわち、皇太子さまのお住まいの御殿ということですね。
皇太孫(こうたいそん)…皇太子がないときに皇位を継承すべき、天皇の孫。
親王…嫡出(ちゃくしゅつ)の皇子・皇孫男子の称号。
内親王…嫡出の皇女および嫡男系嫡出の皇孫である女子。
(日本においての)王…現行の皇室典範では天皇からみて直系で嫡男系嫡出の三親等以遠の男性に与えられる。
(日本においての)女王…現行の皇室典範では天皇からみて嫡男系嫡出で三親等以遠の者に与えられる。
2019年現在、寬仁(ともひと)親王の娘である彬子(あきこ)女王・瑶子(ようこ)女王、高円宮憲仁親王(たかまどのみや のりひとしんのう)の娘である承子(つぐこ)女王の合計3人がその地位にある。これら3女王は直系尊属である大正天皇からみて三親等、即ち曾孫にあたる。
●閣下(かっか)…高位高官の人に対する敬称。 皇族に使われる尊称をまとめました。 いま平成の終わり、新天皇の即位のこのタイミングで気になっている方は多いと思います。 新たな皇位継承という、歴史的瞬間に向けて、いまこそ知りたい天皇の歴史と役割。 日本の皇室は世界最古。 世界でも類をみない万世一系とされる(←ココ重要)王朝。 なぜ、時の権力者が変わっても、権力者は天皇を排除することなく敬ってきたのか。 天皇の歴史を学ぶことで、自分が日本人であることにちょっとだけ嬉しくなったりします。 大和政権の大王(おおきみ)から、いつ天皇へ変わったのか…。 これを機に、日本における天皇の歴史を学んでみませんか? ↓↓↓この記事が少しでもあなたのお役に立てたなら、ポチっとしていただけるとうれしいです
●猊下(げいか)…ダライ・ラマ十四世がニュースになるとダライ・ラマに猊下という敬称がつきますよね。
この猊下とは、高僧に対する敬称のことです。
デーモン小暮は、そういうキャラであり高位高官というわけではありません。
あと、ネット界隈では麻生副総理のことを閣下と呼んでいますが、この方の出自と現職を考えると正真正銘「閣下」ですね。まとめ